更新日:2020年5月22日
非常に衝撃的なニュースが入ってきました。
2020年夏の甲子園が中止!!
5月20日に日本高野連が2020年夏の甲子園の中止を発表しました。夏の甲子園は過去に2度中止※されており、今回で夏の甲子園史上3度目の中止となります。
※過去2度の甲子園(夏)中止の詳細
・1918年(大7)
富山県で起きた米価急騰に抗議する暴動(米騒動)が全国へ広まり、8月16日に中止決定。同9日に全国14代表が出そろい、慶応普通部(東京)など代表校は大阪入り。13日には組み合わせ抽選が行われた。一時は大会延期とされたが、事態は好転せず中止になった。
・1941年(昭16)
戦局が深刻化し、文部省次官通達でスポーツの全国的な催しが中止された。地方大会は6月14日の鹿児島大会から始まったが、一部の県は10月に開催したり途中で打ち切った。42年から45年までは4年間中断。なお、42年には文部省と外郭団体の大日本学徒体育振興会が主催し、正式な大会記録とせず16代表で争う「幻の大会」を開催して徳島商が優勝している。
2020年夏の甲子園が中止になる理由
①:8都道府県で新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が続いており、8月上旬までに49代表がそろうのは困難
②:全国大会の開催には移動、宿泊に感染リスクが伴う
③:甲子園と同じく2020年夏に開催を予定されていたインターハイの中止
夏の甲子園が中止になる理由としては、今夏までに新型コロナウイルスの収束が見込めないことや、仮に開催した場合は移動や宿泊に感染リスクが伴い感染拡大につながりかねないことが挙げられます。また、同時期に開催予定のインターハイの中止が決定されたことも影響していると考えられます。
甲子園中止に関する報道を受けて高校野球の現場の声
「正直、中止になる予感はしていたが、ショックだし、悔しい。」選手意見
「せめて地方大会だけでもあってほしい」選手意見
「現在の状況を見れば中止は仕方がない、という思いと、思い切って実施してほしいという思いがある」指導者意見
「高校球児にとって甲子園は一番の目標。試合をさせてほしい」選手意見
甲子園を目指して日々辛い練習を行っている選手や指導者にとっては、新型コロナウイルスの影響で夏の甲子園が中止になることを頭では理解出来るが、本音としてはなかなか受け入れることが出来ないのが現状です。
夏の甲子園の延期は可能か?
非常に難しいです。5月4日に日本高野連の小倉事務局長が延期は「難しい問題」と見解を示しております。その理由として、①各地域、夏休み期間をどれだけ取ることが出来るかが不透明、②学業の遅れによる授業日確保の影響、③プロ野球との日程調整の必要性を挙げられております。私個人的に一番大きな要因は③だと思います。①と②は確かに重要な問題ではありますが、別に夏休み中でなくとも大会に出場することは出来ますし、学業の遅れが出たとしても大会期間終了後に巻き返すことが出来ます。しかし、③は甲子園を本拠地とする阪神タイガースとの問題が発生します。仮に夏の甲子園を9月に延期する場合、阪神タイガースはペナントレース終盤の大事な試合を基本的にビジターで戦わなければいけません。大阪には京セラドームもありますが、パ・リーグのオリックスがメインで使用しておりますので、阪神タイガースが使える日数には限りがあります。したがって、阪神タイガースとしても簡単に甲子園球場を高校野球に明け渡すわけにはいかないのです。
各都道府県大会の開催は可能か?
夏の甲子園が中止になったからと言って、各都道府県大会も一律中止になるわけではありません。今後、各都道府県高野連が開催可否を協議する予定となっております。また、8月の甲子園が中止となることで、各地方大会は8月まで日程に余裕を持たせて開催することも可能となります。先程、選手意見にもあったように、せめて地方大会の開催を望む選手は多いと思います。
高校野球の主な経過
1月24日:選考委員会でセンバツ出場32校が決定
2月26日:安倍首相が多数の人が集まる全国的なスポーツイベントについて、今後2週間の中止や延期などの対応を要請。日本高野連は3月4日の運営委員会で開催方針を話し合うことを確認
27日:安倍首相が全国の小中高などを一斉の臨時休校にするよう要請する考えを示す
3月4日:選抜大会運営委員会と臨時理事会で、出場校に無観客での実施に向けて準備を要請すると決定。甲子園練習や開会式などの大会行事は中止へ
11日:臨時運営委員会が開催され、史上初のセンバツ中止が決定
3月中旬:各都道府県、地区で春季大会の延期・中止が相次ぐ
25日:沖縄大会が無観客で開幕
4月上旬:春季大会を延期としていた各都道府県で中止相次ぐ
6日:準々決勝まで終わっていた沖縄大会が打ち切り
7日:7都府県に緊急事態宣言発令
13日:北信越大会中止で、全国9地区全てで春季大会中止に
15日:第102回全国選手権大会の第2回運営委員会が5月20日に延期
16日:全国に緊急事態宣言発令
20日:青森大会中止で、47都道府県全てで春季大会中止に
26日:インターハイが中止に。小倉事務局長は「今回の決定に至るさまざまな検討内容を参考にさせていただく」
28日:小倉事務局長が夏の甲子園大会について、無観客開催を検討していると明かす
5月4日:緊急事態宣言が31日まで延長
7日:小倉事務局長が8月10日開幕予定の夏の甲子園大会について、延期は「難しい問題」とコメント。また東京都高野連は、甲子園大会の開催可否にかかわらず東西東京大会開催へ準備を進める基本方針を確認
12日:地方大会で全国で最も早い6月20日に開幕予定だった沖縄大会が開幕を7月以降に変更すると発表
13日:東京都高野連が東西東京大会の暫定日程を発表。7月4日の開幕を11日に延期し、開会式は中止
20日:日本高野連が夏の甲子園大会の中止を発表
最後に
2020年はセンバツに続いて夏の甲子園も中止が決定したことで、選手、保護者、指導者、高校野球ファンは悲しみに包まれております。特にラストイヤーとして頑張ってきた3年生の悲しみは計り知れないことでしょう。私個人的には、夏の甲子園の延期が難しいのであれば、時期をずらしてでも地方大会を開催するべきだと思います。なぜかと言うと、厳しい練習を乗り越えた選手に対して活躍の出来る場所を用意する必要があると思うからです。また、最後になりますが、高校野球を3年間頑張ってきた方は沢山のもの(忍耐力、コミュニケーション能力、協調性等)を培ってきたと思います。そして、その培ってきたものは今後の人生にも必ず活かすことが出来ますので、下を向かず次のステージでも頑張って下さい。
参考資料
①:夏の甲子園中止、高野連が20日に正式発表へ - 高校野球 : 日刊スポーツ
②:夏の甲子園史上3度目の中止へ、各地方大会は開催も - 高校野球 : 日刊スポーツ
③:夏の甲子園中止検討 群馬でも球児や指導者に動揺広がる 集大成の場へ代替大会検討も(上毛新聞) - Yahoo!ニュース